イワシの解剖

ミッション

イワシの体の中がどうなっているのかを、煮干し(にぼし)を解剖して調べましょう。

魚の体の中ってどうなっているのかな。

焼き魚を食べたときに見たことがあるよ。

そうだね!
じゃあ、体の中を予想して絵を描いてみよう。

食べ終わった後の骨(ほね)の形しかわからないかも・・・

ポイント

イワシは水の中で生活しています。人間は陸の上で生活しています。

イワシと人間の体のつくりで同じところやちがうところはあるでしょうか。

人間と比べながら、イワシの体の中を見ていきましょう。

日本食のおいしさのひみつは出汁(だし)にあります。

出汁をとるために、イワシなどの煮干しや鰹節(かつおぶし)が使われます。

煮干しになっているイワシを解剖して、体のつくりを調べましょう。

煮干しのままではかたいので、コップやふくろにいれた水に1時間ほどつけて、やわらかくします。

この部分は鰓(えら)という部分です。泳いでいるときにパカパカ開いたり閉じたりしながら動いています。

竹串(たけぐし)やつまようじを使ってイワシの体を開いていきましょう。

おしりのところに竹串をさして、おなかを開いていきます。

おなかのなかはどのようになっているでしょうか。

人間と同じところやちがうところはあるでしょうか。

おなかを開くとこのようになっています。

わたしたちが食べている身の部分は魚の筋肉(きんにく)です。

この筋肉をつかって体を左右に動かし、水の中を泳いでいます。

ポイント

おなかの中を見ていきましょう。

人間には脳(のう)、心臓(しんぞう)、肺(はい)、肝臓(かんぞう)、胃(い)、腸(ちょう)などがあります。

イワシにも脳、心臓、肺、肝臓、胃、腸などがあるか確かめましょう。

このイワシはどうやらオスだったようです。

精巣をめくると、黒いものが見えてきました。

これらをなるべく傷つけないように、竹串をつかって取り出していきます。

このように、ていねいにおなかの中から取り出していきます。

顔の部分を開いてはがすと、このようになっています。

鰓(えら)が見えてきました。

人間は空気から酸素(さんそ)を吸うときに肺(はい)を使いますが、魚は水の中から酸素(さんそ)を吸うときに鰓(えら)を使います。

酸素を吸う機能(きのう)は同じですが、人間とイワシでは、肺と鰓というちがいがあります。

どうしてちがうのかな。

生活しているところがちがうからじゃないかな。

鰓(えら)の部分を取り出してみましょう。

鰓は細かい糸のようなものが集まってできています。

左に見える歯のようなものは、さいはと呼ばれるものです。

イワシが水といっしょに吸い込んだ食べ物をつかまえて、おなかの中に送る働きをしています。

この部分をくわしく調べていきましょう。

この黒い部分に心臓(しんぞう)、肝臓(かんぞう)、胃(い)、腸(ちょう)があります。

左側の小さな黒いかたまりが心臓(しんぞう)です。

右側の大きな黒いかたまりが肝臓(かんぞう)です。

肝臓につつまれている茶色の部分が胃(い)です。

一番右側のねじねじした部分をゆっくりほどいてのばしていくと、こんなに長くなりました。

この部分が腸(ちょう)です。

ポイント

心臓(しんぞう)は血を体中に送る働きがあります。

肝臓(かんぞう)はエネルギーをたくわえる働きなどがあります。

胃(い)は食べたものを消化して吸収しやすくする働きがあります。

腸(ちょう)は食べたものを吸収する働きがあります。

肝臓と胃と腸が近くでつながっているのは、食べたものを消化して、吸収して、エネルギーとしてたくわえるためじゃないかな。

大きさや形はちがっても、人間にも同じような働きがひつようだね。

イワシの頭の部分をくわしく調べていきましょう。

目の部分を竹串で取り出しましょう。

やわらかい部分につつまれている白くて丸いものが見えます。

この部分は水晶体(すいしょうたい)と呼ばれるものです。

人間の目にも同じように水晶体があります。

生きているときはガラスのようにとうめいです。

目の後ろのぶぶんにはかたい頭の骨があります。

人間の頭の骨の中には脳(のう)が入っています。

イワシの頭の中にも脳はあるでしょうか。

少しかたいですが、竹串を使って頭の骨を開くと、中から茶色のものが出てきました。

これがイワシの脳(のう)です。

脳は背骨(せぼね)につながっています。

背骨(せぼね)の部分をくわしく見ていきましょう。

背骨には太い骨から細い骨がたくさん出ていることがわかります。

太い骨は左右に曲げられるようにたくさんのパーツにわかれています。

この、骨と骨をつなげる部分を関節(かんせつ)といいます。

人間にも背骨や関節があるね。

背骨はどんな働きをしているのかな。

背骨には、脳(のう)から細い糸のようなものがつながっています。

この細い糸のようなものが神経(しんけい)です。

脳から「動け!」という命令が神経を通って筋肉(きんにく)に伝わり、イワシの体が動きます。

人間の体も同じように、脳から神経を通って筋肉に命令が伝わり、体を動かしています。

ポイント

背骨は体をささえる大きな骨です。

背骨には神経(しんけい)があり、脳(のう)からの命令を筋肉に伝えます。

最初に描いたイワシの体の絵とくらべてみよう。

人間とくらべると、形や大きさはちがうけど、生きるためにひつような体のつくりと働きは同じなんだね。